ヘタレなボクが愛した人

しばらくして、撮り終えたのか、ボクたちは中に入った。

エントランスからインパクト大の美しい光景が広がっていた。

青を基調とした内部、強すぎない青の照明…そして大水槽。

どれをとっても美しすぎる。

ボクとありさちゃんは興奮気味に中を見て回る。

お姉ちゃんに教えてもらったプラネタリウムのエリアに足を踏み入れると、かなり高い位置に設置された水槽…そこには星に見立てたクラゲやクリオネたちが優雅に泳いでいる。

幻想的な空間に思わず口が開いていく。

二人で天井を見上げてると、ホントに満点の星空を眺めているような気分になった。

「スゴイね!」とボクたちは言い合ってお互いの顔を見た。

しばらくして、そのエリアを後にしたボクたちが向かったのは…アシカショーのエリア。

大迫力なショーを間近で見ることが出来て、すごく楽しかった。

その後、大スケールのプロジェクションマッピングを見た。

大きな水槽に投影される映像は…魚たちとの素晴らしいコントラストを表現している

そっか、だからここ人気なんだ。改めてそう思った。数々の名だたるアーティストがここに集うと聞いたとき…

不思議に思ってたけど…いざ来てみて、この空間に立つと、気持ちがよくわかる。

音楽家として、音を入れてみたいとさえ思う。

頭に流れた曲を口ずさんでみる。

「ん？それ…新曲？」とありさちゃんに聞かれた。

「えっ？…ごめん違うよ。この水族館のイメージで思いついたから…」とボクが言うと、なるほど〜と納得してくれた。