ヘタレなボクが愛した人
今日は皆で集まって練習をしていた。

ボクのマネージャーを務める男は、ボクのことをよく知る人物で、いわゆる幼なじみ。

実はありさちゃんの弟で篠乃芽優って言うんだ。

20歳なんだけど、ボクよりしっかりしていて完璧なマネジメントでボクらをサポートしてくれている。

ボクの気持ちも気づいてる為、よく色々教えてくれる。

ありさちゃんの彼氏が変わった話とか。

ホントはそんな話あんまり聞きたくないんだけど…ボクをいじめるんだ。

ボクの泣きそうな顔を見るのが楽しくてしょうがないらしい。

けど…ホントは優しいんだ。

練習が終われば一緒に帰ってくれるし。

ほんとに家族のように仲が良い。

だからいつも本音で色々話しちゃう。

メジャーデビューすることが決まって初めてテレビに出ることになった。

こうしてデビューできることになったのは優のおかげ。

デビューする前、僕らがインディーズでまだ路上ライブとかしてた頃から、応援して支え続けてくれてた。

優にはほんとに感謝しても感謝しきれない。

今度、テレビに出ることが決まっているボクには不安しか無いけど…

それでも、大丈夫だ!心配すんなと励ましてくれる。

優にそう言ってもらえるとなんか頑張れそうな気がしてくる。

夜ー

家につくと、 LINEが来ていた!

『メジャーデビューオメデト〜!夢叶うね!』って。

ボクの大好きなありさちゃんからだった。

『ありがとう』と1言だけ返した。

その後の会話は続かない。

何を話していいのか、よくわからないから。

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