ヘタレなボクが愛した人
数分後、優が来てくれた。

「お邪魔しま〜す」と言って入ってきた優は、まぐれもなく、ボクの友人としての優だった。

仕事の時とプライベートをキッチリ分けてる優は、いつにまして優しい。

「やっぱり1人寂しいんですか?」と笑う優。

ボクはうつむきながら、コクンと頷いた。

「もう、ホントに…あなたって人は!うちにも昔みたいに遊びに来たらいい。喜ぶよ!姉ちゃんと食事するのもありだと思うけどね」と優は言って笑った。

「ありがと」とボクは笑う。

「それより…体だいぶ締まってきたね。男らしくて…スタイリッシュでかっこよくなってきた。やっぱり素材も良いけど、それをちゃんと味付けしてる雪弥さんってやっぱスゴイよね!」と優は言うので、ボクは笑ってしまった。

「優、いつもありがとう」とボクが言うと、「大したこと何もしてないよ?」と言われた。

こういうところがすごいなあっていつも思う。

「いつも感謝だよ、そばにいてくれて、仕事もプライベートも色々ボクの世話をやいてくれる。ゴメンネ」とボクが言うと、

優は豪快に笑いながら、「バカなん?気にせんとこ!好きでしてることやし」

そう言ってくれるのだった。

「それより…姉ちゃんとはあれからどうなった?進展とか無いの?」と聞かれた。

忙しくて、それどころじゃないとボクが言うと、

「時間はちゃんと作らなアカンで」と優に言われてしまうけど…

ボクとありさちゃんは恋人同士って関係でもないし…正直悩んでしまう。

「今度!麗華水族館でのライブには見に来てほしいって送ってみた」とボクが言うと、嬉しそうに笑ってくれた。

「俺からも言っとくからね〜」と優は言った。

しばらくして、優は帰っていった。
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