ヘタレなボクが愛した人
今日はボクがお店を選んだ。
実は前々から少し気になっていた洋菓子のお店。有名デザイナーがデザインしたとかで話題にもなっていたし、また特にここのパティシエさんは凄い人なんだ。
賞とかも総なめしてるような人で…。
そこにカフェスペースが併用されていて…好きなのをショーケースから選んで食べられるスタイル。飲み物をセットにすると、セット料金になるらしく、少しお得になる。
ボクは王道、イチゴのショートケーキを注文し、ありさちゃんは、モンブランを注文していた。
ボクは飲み物は紅茶にしてみたけど、ありさちゃんはブラックのコーヒーにしていた。
改めて向かい合って座ると、とても緊張する。
「…」二人は無言のままケーキを食べ始めた。
先に声を上げたのはありさちゃんだった。
「美味しい…こんなに美味しいの初めて食べた…しかもこのコーヒーもしっかり合うし…」と。
ケーキだけではなく、コーヒーまでも美味しいと言ってくれるありさちゃんにボクは笑いかけた。
実はこのお店は飲み物にもこだわっていて、豆や、茶葉をバイヤーが自ら調達してきて、最高の状態で出せるようにと農家と契約をしているほど。
中で、専門の知識を持つ人が1杯ずつ丁寧に入れてくれるので味も抜群なのだ。
ありさちゃんがほんとに嬉しそうに笑いながら食べ、飲みしているのを見て嬉しくなって思わず笑みが溢れてしまう。
「何ですか?」と言われて、
「あまりにも嬉しそうに食べてくれるから嬉しくて…」と本音を伝えると、
顔を赤くしてうつむくのがまた可愛い。
少しして、ありさちゃんは話を変えてきた。
「今日の4曲はバラードをベースにした穏やかな曲が多かったように思ったんだけど…」と。
さすがありさちゃん!ボクらのファン?だと公言してくれているだけあって曲調も理解してあるのか。とちょっと感動…
「優がいくつかピックアップしてくれたんだよ!その中から一人ずつが好きな曲を選んだんだ。場所が場所だからあんまりパンチのあるやつは辞めようって…」とボクが言うと、
「さっすがね!できる男は違うわ!私もそんな人にマネジメントしてほしいわ」とありさちゃんは言って笑うのだった。
ボクたちは他愛ない世間話に花を咲かせ、楽しいティータイムを楽しんだ。
お互いに忙しく、あんまりこうして過ごせることが無いので、とても貴重な時間だった。
それだけで今は良かった。だって告白する勇気はまだ無いから。
楽しい時間を終え、店を出る。
今日こそは!と意気込んで財布を出したがボクの財布には2000円しか入ってなかった。そしてそんな安くもなく…カフェだと甘く見てたボクの顔色は少し変わってしまう。
そうだった…いつも優が払ってくれるから、ボクってほんとに手元にお金とか置いてなかったんだった。今更そのことに深く後悔。
「もしかして足りない?出そうか?」と優しく言ってくれるありさちゃん。
でもここでお願いしますって言ってしまったら…ボクは多分これからも変われない気がした。
けど…事実、稼ぎの少ないボクにとってたかだか数千円でもかなりの額に感じた。けど…平気な顔をしているありさちゃんは多分かなり稼いでいるんだと思う。そんな数千円も払えないボクって情けない。
けど!ボクはプライドは速攻捨てて、ありさちゃんにお願いした。
ありさちゃんは平然としていて…
少し複雑な気分になった。
店を出てボクらは散歩する。
無言が続く。ただ空間を共にしていると言うような感覚だった。
ボクは耐えきれなくなって口を開いた。
「ごめんね。今日くらいカッコつけたかったのに…」とボクが言うと、
「ん?なんのこと…?あっ、もしかしてさっきのお会計のこと?気にしなくていいよ!今日は充分かっこいい順也さん見せてもらえたんだから!」と笑ってくれた。
ほんとに、ありさちゃんって…カッコイイよね。
ボクが憧れ惚れる人。飾らない自然さ大好きだ。
実は前々から少し気になっていた洋菓子のお店。有名デザイナーがデザインしたとかで話題にもなっていたし、また特にここのパティシエさんは凄い人なんだ。
賞とかも総なめしてるような人で…。
そこにカフェスペースが併用されていて…好きなのをショーケースから選んで食べられるスタイル。飲み物をセットにすると、セット料金になるらしく、少しお得になる。
ボクは王道、イチゴのショートケーキを注文し、ありさちゃんは、モンブランを注文していた。
ボクは飲み物は紅茶にしてみたけど、ありさちゃんはブラックのコーヒーにしていた。
改めて向かい合って座ると、とても緊張する。
「…」二人は無言のままケーキを食べ始めた。
先に声を上げたのはありさちゃんだった。
「美味しい…こんなに美味しいの初めて食べた…しかもこのコーヒーもしっかり合うし…」と。
ケーキだけではなく、コーヒーまでも美味しいと言ってくれるありさちゃんにボクは笑いかけた。
実はこのお店は飲み物にもこだわっていて、豆や、茶葉をバイヤーが自ら調達してきて、最高の状態で出せるようにと農家と契約をしているほど。
中で、専門の知識を持つ人が1杯ずつ丁寧に入れてくれるので味も抜群なのだ。
ありさちゃんがほんとに嬉しそうに笑いながら食べ、飲みしているのを見て嬉しくなって思わず笑みが溢れてしまう。
「何ですか?」と言われて、
「あまりにも嬉しそうに食べてくれるから嬉しくて…」と本音を伝えると、
顔を赤くしてうつむくのがまた可愛い。
少しして、ありさちゃんは話を変えてきた。
「今日の4曲はバラードをベースにした穏やかな曲が多かったように思ったんだけど…」と。
さすがありさちゃん!ボクらのファン?だと公言してくれているだけあって曲調も理解してあるのか。とちょっと感動…
「優がいくつかピックアップしてくれたんだよ!その中から一人ずつが好きな曲を選んだんだ。場所が場所だからあんまりパンチのあるやつは辞めようって…」とボクが言うと、
「さっすがね!できる男は違うわ!私もそんな人にマネジメントしてほしいわ」とありさちゃんは言って笑うのだった。
ボクたちは他愛ない世間話に花を咲かせ、楽しいティータイムを楽しんだ。
お互いに忙しく、あんまりこうして過ごせることが無いので、とても貴重な時間だった。
それだけで今は良かった。だって告白する勇気はまだ無いから。
楽しい時間を終え、店を出る。
今日こそは!と意気込んで財布を出したがボクの財布には2000円しか入ってなかった。そしてそんな安くもなく…カフェだと甘く見てたボクの顔色は少し変わってしまう。
そうだった…いつも優が払ってくれるから、ボクってほんとに手元にお金とか置いてなかったんだった。今更そのことに深く後悔。
「もしかして足りない?出そうか?」と優しく言ってくれるありさちゃん。
でもここでお願いしますって言ってしまったら…ボクは多分これからも変われない気がした。
けど…事実、稼ぎの少ないボクにとってたかだか数千円でもかなりの額に感じた。けど…平気な顔をしているありさちゃんは多分かなり稼いでいるんだと思う。そんな数千円も払えないボクって情けない。
けど!ボクはプライドは速攻捨てて、ありさちゃんにお願いした。
ありさちゃんは平然としていて…
少し複雑な気分になった。
店を出てボクらは散歩する。
無言が続く。ただ空間を共にしていると言うような感覚だった。
ボクは耐えきれなくなって口を開いた。
「ごめんね。今日くらいカッコつけたかったのに…」とボクが言うと、
「ん?なんのこと…?あっ、もしかしてさっきのお会計のこと?気にしなくていいよ!今日は充分かっこいい順也さん見せてもらえたんだから!」と笑ってくれた。
ほんとに、ありさちゃんって…カッコイイよね。
ボクが憧れ惚れる人。飾らない自然さ大好きだ。