ヘタレなボクが愛した人
ー翌日
起きたのは昼少し前だった。
今日は何しようかな〜?と考えていた矢先、優から連絡が来た。
マネージャーとしてではなく、友人として。
『一緒にお出かけしませんか?』って。
ボクは即効返事して準備を始めた。
しばらくして迎えに来てくれた優は、何故か車で。
「乗ってください!ドライブでもしましょう?」と言ってきたので、
おとなしくボクは助手席に座った。
シートベルトをしめ、車はゆっくり動き出した。
「どこ行くの?」とボクは聞いたんだけど、
優は楽しみにしててくださいと教えてはくれなかった。
しばらくして、車が止まったのは…小さな白いペンションが立つ高台だった。
そこからの眺めは絶景で…辺り一面にコバルトブルーの海が広がっていた。ボクは言葉を失っていた。
同じ日本とは思えないほど美しい。
麗華水族館に感動したのは、人の手が作り上げた美しい空間だったから。
けど…ここは、誰も手を入れてない、自然そのものの雄大な美しさを放っている。
コバルトブルーに輝く海は時折日光が反射し、きらびやかに水面を光らせているまるで宝石が散りばめられているみたい。
その光景にしばらく浸ったあと、ボクと優はペンションの中に入った。
白を基調とした木目調のお部屋…フローリングにされた床。洋テイストながら落ち着ける空間だった。インテリアはアンティークで統一されていた。
「こんな凄いとこ、どーしたの?」興奮気味にボクが聞くと、
「んーいつも頑張ってる順也さんへのご褒美だよ!自分磨きも仕事も最近特に頑張ってくれてるからね!だから楽しもう?」そう言って優は笑った。
その優しさが嬉しかった!
思わずありがとう!って抱きついてしまった。
優は照れている。普段、出来る男のイメージが強すぎるだけに、少し子供見たく見える今はとても可愛い。
けど、そんなこと言ったら怒られそうなので心にとどめとくことにしよう。
「2、3日の休みの間はここにいていいからね!戻ったらまた忙しくなるからしっかりリフレッシュしてね!」と優はいった。
ボクはとりあえず優から離れて
「ボク何も持たずに来たよ?」と上目使いに言ってみた。
「それは大丈夫です!ちゃんと準備してますから!」とさすが用意周到の優はいったので、深くは言わないことにした。
「そうだ!あとで海行きませんか?せっかくなんで、潜りましょうよ?あ、サーフィンでもいいですよ?」って優は言ってきた。
運動神経の鈍いボクにとってそんなこと出来るはずないけど…
潜ってみたいとは思った。
眼下に広がる美しい海に。きっと今までに味わったことない世界が広がってるに違いない。
なのでボクは、「潜りたいです」と言った。
その言葉を待ってたかのように、優は早々と準備してくれた。
そしてボクたちは、潜ることになった。
早速着替えて海の方に降りた。浜もとても美しく、キラキラしていた。
海の青さに負けないくらい、白くてサラッとした浜だ。
浜辺を少し並んで歩いたボクたちは海に出た。遠浅で、顔を少しつけただけでも色鮮やかなお魚さんたちを見ることができた。
素潜りなので、深くは潜れないけど、初心者のボクには充分だった。
地上から水平線上に見るコバルトブルーの海も美しいけど、いざ自分がその中にいるのだと思うと、言葉では表現しきれないほどの感情が溢れた。
ボクと優は、魚達と一緒に泳ぎながら優雅な海の中を探索した。
しばらくして、浜に上がると、真っ赤に染まった海が見えた。
だいぶ、潜っていたらしい。
日が沈みかけていた。
ボクたちは並んでその光景を魅入っていた。
ふと気になってボクは「夕食はどうするの?」と聞いてしまった。
「BBQでもしよっか」と笑う優。
ペンションに戻るとすでに準備がされていて…
いつの間に?!と思ったけど、多分計画的にスマートにこなす優のことだからそれなりのことはしたんだろうと思う。
ボクたちはBBQをするために、ペンションの庭に出た。
管理はきちんとされているのか、庭の芝生もキレイに整っていた。
よく考えれば、ペンションの中もキレイな状態が保たれていたし、お泊り用品?も全て備えられていた。
ボクはやっぱり気になって聞いてしまった。
焼けたばかりのお肉を頬張りながら。
「ここのペンションは優の持ち物なの?」って。
そしたら優は笑って
「篠乃芽家の別荘なんだ。色々あったときとかはここに来て、優雅な時間を過ごしてる。ここでリフレッシュして…また仕事も頑張れるからさ!だから…どーしても順也さんを連れてきたくて…管理人さんがちゃんと管理してくれてるし、全て整えてくれてるから、何も持ってこなくても、こうして来れるんだよ」と言った。
嘘でしょ?!篠乃芽家ってどんだけ金持ちよ?
かなり高いはずよね?
ボクの顔を見て察したのか、
「家族皆で割って買ったから…そんなに高くはなかったよ!」と言った。
「姉ちゃんもここはお気に入りでたまに来てるよ!」と優は言った。
そうなんだ…確かにこんなところなら来たくなるよね。
いいなあ…優は。家族皆ほんとに仲良くて…
確か…インスタとかでもありさちゃんが撮った海の写真とかアップされてることがあった。
それはここなのかもしれない。そう思うと、なんだか嬉しくなった。
BBQを終えたボクたちは中からマシーンで入れたコーヒーを持ってきて、庭の椅子に腰掛けた。
月明かりに照らされ、青白く光る海もまた幻想的でとても美しい。
上を見上げると…何も邪魔のない満点の星空が広がっている。
空気も美味しく、ボクは何度も深呼吸をした。
起きたのは昼少し前だった。
今日は何しようかな〜?と考えていた矢先、優から連絡が来た。
マネージャーとしてではなく、友人として。
『一緒にお出かけしませんか?』って。
ボクは即効返事して準備を始めた。
しばらくして迎えに来てくれた優は、何故か車で。
「乗ってください!ドライブでもしましょう?」と言ってきたので、
おとなしくボクは助手席に座った。
シートベルトをしめ、車はゆっくり動き出した。
「どこ行くの?」とボクは聞いたんだけど、
優は楽しみにしててくださいと教えてはくれなかった。
しばらくして、車が止まったのは…小さな白いペンションが立つ高台だった。
そこからの眺めは絶景で…辺り一面にコバルトブルーの海が広がっていた。ボクは言葉を失っていた。
同じ日本とは思えないほど美しい。
麗華水族館に感動したのは、人の手が作り上げた美しい空間だったから。
けど…ここは、誰も手を入れてない、自然そのものの雄大な美しさを放っている。
コバルトブルーに輝く海は時折日光が反射し、きらびやかに水面を光らせているまるで宝石が散りばめられているみたい。
その光景にしばらく浸ったあと、ボクと優はペンションの中に入った。
白を基調とした木目調のお部屋…フローリングにされた床。洋テイストながら落ち着ける空間だった。インテリアはアンティークで統一されていた。
「こんな凄いとこ、どーしたの?」興奮気味にボクが聞くと、
「んーいつも頑張ってる順也さんへのご褒美だよ!自分磨きも仕事も最近特に頑張ってくれてるからね!だから楽しもう?」そう言って優は笑った。
その優しさが嬉しかった!
思わずありがとう!って抱きついてしまった。
優は照れている。普段、出来る男のイメージが強すぎるだけに、少し子供見たく見える今はとても可愛い。
けど、そんなこと言ったら怒られそうなので心にとどめとくことにしよう。
「2、3日の休みの間はここにいていいからね!戻ったらまた忙しくなるからしっかりリフレッシュしてね!」と優はいった。
ボクはとりあえず優から離れて
「ボク何も持たずに来たよ?」と上目使いに言ってみた。
「それは大丈夫です!ちゃんと準備してますから!」とさすが用意周到の優はいったので、深くは言わないことにした。
「そうだ!あとで海行きませんか?せっかくなんで、潜りましょうよ?あ、サーフィンでもいいですよ?」って優は言ってきた。
運動神経の鈍いボクにとってそんなこと出来るはずないけど…
潜ってみたいとは思った。
眼下に広がる美しい海に。きっと今までに味わったことない世界が広がってるに違いない。
なのでボクは、「潜りたいです」と言った。
その言葉を待ってたかのように、優は早々と準備してくれた。
そしてボクたちは、潜ることになった。
早速着替えて海の方に降りた。浜もとても美しく、キラキラしていた。
海の青さに負けないくらい、白くてサラッとした浜だ。
浜辺を少し並んで歩いたボクたちは海に出た。遠浅で、顔を少しつけただけでも色鮮やかなお魚さんたちを見ることができた。
素潜りなので、深くは潜れないけど、初心者のボクには充分だった。
地上から水平線上に見るコバルトブルーの海も美しいけど、いざ自分がその中にいるのだと思うと、言葉では表現しきれないほどの感情が溢れた。
ボクと優は、魚達と一緒に泳ぎながら優雅な海の中を探索した。
しばらくして、浜に上がると、真っ赤に染まった海が見えた。
だいぶ、潜っていたらしい。
日が沈みかけていた。
ボクたちは並んでその光景を魅入っていた。
ふと気になってボクは「夕食はどうするの?」と聞いてしまった。
「BBQでもしよっか」と笑う優。
ペンションに戻るとすでに準備がされていて…
いつの間に?!と思ったけど、多分計画的にスマートにこなす優のことだからそれなりのことはしたんだろうと思う。
ボクたちはBBQをするために、ペンションの庭に出た。
管理はきちんとされているのか、庭の芝生もキレイに整っていた。
よく考えれば、ペンションの中もキレイな状態が保たれていたし、お泊り用品?も全て備えられていた。
ボクはやっぱり気になって聞いてしまった。
焼けたばかりのお肉を頬張りながら。
「ここのペンションは優の持ち物なの?」って。
そしたら優は笑って
「篠乃芽家の別荘なんだ。色々あったときとかはここに来て、優雅な時間を過ごしてる。ここでリフレッシュして…また仕事も頑張れるからさ!だから…どーしても順也さんを連れてきたくて…管理人さんがちゃんと管理してくれてるし、全て整えてくれてるから、何も持ってこなくても、こうして来れるんだよ」と言った。
嘘でしょ?!篠乃芽家ってどんだけ金持ちよ?
かなり高いはずよね?
ボクの顔を見て察したのか、
「家族皆で割って買ったから…そんなに高くはなかったよ!」と言った。
「姉ちゃんもここはお気に入りでたまに来てるよ!」と優は言った。
そうなんだ…確かにこんなところなら来たくなるよね。
いいなあ…優は。家族皆ほんとに仲良くて…
確か…インスタとかでもありさちゃんが撮った海の写真とかアップされてることがあった。
それはここなのかもしれない。そう思うと、なんだか嬉しくなった。
BBQを終えたボクたちは中からマシーンで入れたコーヒーを持ってきて、庭の椅子に腰掛けた。
月明かりに照らされ、青白く光る海もまた幻想的でとても美しい。
上を見上げると…何も邪魔のない満点の星空が広がっている。
空気も美味しく、ボクは何度も深呼吸をした。