ヘタレなボクが愛した人
その後、ボクはテレビに出る機会も増え、休みの日にはお姉ちゃんと雪弥さんと一緒にトレーニングをするようになった。
そして体が充分に仕上がってきた頃、雪弥さんに連れられて、ボクは服屋さんに来ている。
どうやらこの店は雪弥さんの行きつけの店らしく、
店員さんが、
「いらっしゃいませ〜Yukiya様、いつもありがとうございます!」と笑顔で現れる。
ボクはそれに思わず後ずさった。
「ほら、選びな!」と雪弥さんは言う。
それはボクに与えられたファッションに興味を持たせるという試練だった。
ここのブランドのものはどれもカッコよくて輝いている。
けど…ボクは選べなかった。
カッコイイ服着たことないもの。地味なやつしか…
「好きな女を落とす勝負服だ!」と追い打ちを雪弥さんはかけてくる。
一応考えてみた。
好きな人…ありさちゃんを。
ありさちゃんはどんな感じが好きなんだろう?
カッコイイ系?華がある系?チャラい系?
派手め?
どんなのが好きそうだろう?考えてもわからなかった。
けどとりあえず、ありさちゃんとデートすることを妄想して、店内を一周してみた。
そしたら1つのマネキンがボクを引きつけた。
このマネキン…雪弥さんみたい。
マネキンなのにちゃんと魂が籠もってるような…カッコイくてキラキラしていた。
ボクは足を止めたまましばらく魅入る。
それに気づいたのか、雪弥さんは隣に来ていて…
「これか?中々センスあるじゃん!」と言ってきた。
そして、店員さんがきて、
「こちらの上下はデザイナーの東条晴香様がデザインした当店限定モデルなんですぅ」と言った。
っ…えっ?お姉ちゃん…?
「さっすが!やっぱり姉弟なんだな〜」とボクの肩をトントンと叩きながら鼻歌を歌いながらボクから離れていく雪弥さん。
やっぱりカッコイイ!!これ…お姉ちゃんのデザインだったんだ!
だからなのかな?ボクが引き寄せられたのは…
「試着してみます?」と店員さんに言われてボクは悩んでいた。
かなり値段も高いし、ボクに似合うなんてとてもじゃないけど思えない。
なのに!ボクから離れて行ったはずの雪弥さんが何故か隣に戻ってきていて、
「せっかくだから試着してみな」と言ってきた。
そして試着してみた。
鏡を見ても、自分に自信のもてないボクはカッコいく着こなせなくて…着られてる感が出てしまっていた。
とりあえず、どうですか?とボクは試着室から出て雪弥さんに見てもらう。
「何だろな〜せっかくカッコイイ服なのに目立たないね」ってストレートに雪弥さんは言ってきた。
ホントにボクもそう思ったのだけど。
「このベルトと、時計…、アクセサリーと靴もだな?こんな感じか?」と言って雪弥さんはボクの服に小物を合わせていく。
そうすると、不思議なことに少しマトモに見えるようになった。
「さすがYukiya様のお見立てですねぇ〜素敵です!」と店員さんがお世辞っぽいことを言った。
「よっしっ、じゃあ決まり!これ全部お願いします」と雪弥さんは言ってレジに向かった。
カードで支払われた額は…到底ボクには払えそうには無い額だった。
「こんな額、ボクには払えませんよ?」とボクは言った。
ボクはまだ言っても駆け出しでお金なんてほとんど貰っていない。
そんなボクからしたら高すぎてとてもじゃないが言葉が出ないレベルだったのに。
「何心配してんの?俺からのプレゼントだよ!遠慮せず受け取ってよ!」そう言われ、一式が入った紙袋を渡された。
受け取れない…そう断ろうとしたら、睨みを聞かされた。
「俺からのプレゼントだよ?可愛い弟にこれくらいしても良いだろう?」と笑われてしまい、ボクは素直に受け取ることになってしまった。
ボクはそれを持ったまま家に帰った。
と言ってもお姉ちゃんのいる家だけど。
そして体が充分に仕上がってきた頃、雪弥さんに連れられて、ボクは服屋さんに来ている。
どうやらこの店は雪弥さんの行きつけの店らしく、
店員さんが、
「いらっしゃいませ〜Yukiya様、いつもありがとうございます!」と笑顔で現れる。
ボクはそれに思わず後ずさった。
「ほら、選びな!」と雪弥さんは言う。
それはボクに与えられたファッションに興味を持たせるという試練だった。
ここのブランドのものはどれもカッコよくて輝いている。
けど…ボクは選べなかった。
カッコイイ服着たことないもの。地味なやつしか…
「好きな女を落とす勝負服だ!」と追い打ちを雪弥さんはかけてくる。
一応考えてみた。
好きな人…ありさちゃんを。
ありさちゃんはどんな感じが好きなんだろう?
カッコイイ系?華がある系?チャラい系?
派手め?
どんなのが好きそうだろう?考えてもわからなかった。
けどとりあえず、ありさちゃんとデートすることを妄想して、店内を一周してみた。
そしたら1つのマネキンがボクを引きつけた。
このマネキン…雪弥さんみたい。
マネキンなのにちゃんと魂が籠もってるような…カッコイくてキラキラしていた。
ボクは足を止めたまましばらく魅入る。
それに気づいたのか、雪弥さんは隣に来ていて…
「これか?中々センスあるじゃん!」と言ってきた。
そして、店員さんがきて、
「こちらの上下はデザイナーの東条晴香様がデザインした当店限定モデルなんですぅ」と言った。
っ…えっ?お姉ちゃん…?
「さっすが!やっぱり姉弟なんだな〜」とボクの肩をトントンと叩きながら鼻歌を歌いながらボクから離れていく雪弥さん。
やっぱりカッコイイ!!これ…お姉ちゃんのデザインだったんだ!
だからなのかな?ボクが引き寄せられたのは…
「試着してみます?」と店員さんに言われてボクは悩んでいた。
かなり値段も高いし、ボクに似合うなんてとてもじゃないけど思えない。
なのに!ボクから離れて行ったはずの雪弥さんが何故か隣に戻ってきていて、
「せっかくだから試着してみな」と言ってきた。
そして試着してみた。
鏡を見ても、自分に自信のもてないボクはカッコいく着こなせなくて…着られてる感が出てしまっていた。
とりあえず、どうですか?とボクは試着室から出て雪弥さんに見てもらう。
「何だろな〜せっかくカッコイイ服なのに目立たないね」ってストレートに雪弥さんは言ってきた。
ホントにボクもそう思ったのだけど。
「このベルトと、時計…、アクセサリーと靴もだな?こんな感じか?」と言って雪弥さんはボクの服に小物を合わせていく。
そうすると、不思議なことに少しマトモに見えるようになった。
「さすがYukiya様のお見立てですねぇ〜素敵です!」と店員さんがお世辞っぽいことを言った。
「よっしっ、じゃあ決まり!これ全部お願いします」と雪弥さんは言ってレジに向かった。
カードで支払われた額は…到底ボクには払えそうには無い額だった。
「こんな額、ボクには払えませんよ?」とボクは言った。
ボクはまだ言っても駆け出しでお金なんてほとんど貰っていない。
そんなボクからしたら高すぎてとてもじゃないが言葉が出ないレベルだったのに。
「何心配してんの?俺からのプレゼントだよ!遠慮せず受け取ってよ!」そう言われ、一式が入った紙袋を渡された。
受け取れない…そう断ろうとしたら、睨みを聞かされた。
「俺からのプレゼントだよ?可愛い弟にこれくらいしても良いだろう?」と笑われてしまい、ボクは素直に受け取ることになってしまった。
ボクはそれを持ったまま家に帰った。
と言ってもお姉ちゃんのいる家だけど。