時を超えた王女と戦国武将達 中編
「え...?嘘...。」

私は少し前に部屋へ入ってきた秀吉さんの言葉に耳を疑った。

「事実だ。信長様が殺した奴は短刀を隠してた。」

「それじゃあ、私は危うく殺されるところだったってこと...?」

そんな...私、信長様に酷いことを...。

「どうして信長様はその事を私に言ってくれなかったんだろう。」

「さぁな、でも、信長様は何ひとつ無駄なことはなさらない。」

謝らなきゃ...。

「その事を伝えに来ただけだ。今日はゆっくり休めよ?」

「う、うん。」

秀吉さんは私の頭を大きな手でポンポンと撫でると、部屋を出た。
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