時を超えた王女と戦国武将達 中編
「何でもありません。
私、仕事しなくちゃならないので戻りますよ。」

「待て。貴様の働きぶりは家臣たちから聞いている。
最近は他にもやることを増やしたそうだな?」

もう、私が看護の勉強してる事が耳に入ってるの!?

「はい。戦に同行すると決めた以上何もしないままでは嫌なんです。

戦うことは出来ないけど、せめて誰かの手助けはしたいから。」

「貴様...。初めて会った時と変わったな。

薬のことなら家康に聞くといい。
あやつは薬を作れる。」

それ誰かにも言われた気がする。
私は誰にも傷ついてほしくない。だから戦をしてほしくないという気持ちは絶対変わらない。

「ありがとうございます!
私、行きますね。」

待てと言われて握られていた手を離してもらって天守を離れた。
< 94 / 104 >

この作品をシェア

pagetop