私の背負う荷物

カランコロンっ

「こんばんは〜♪」

「今日も仕事帰り?」

「帰ってきました!
明日は休みなので長時間いるかもしれないです!」

「ゆっくりしていって♪」


ここにくるといつも落ち着く
少し狭いけど暖かい明かりで、
ふわふわすぎない一人がけのソファ
見慣れないお酒に、
想像するだけでよだれがでるメニュー

一つ一つが私にとって新鮮で
第2の家みたいなものだ。


カランコロンっ

「あれっ?マキちゃん?
久しぶりだねぇー!」

「あっ!ユウさん!お久しぶりです♪」

「二度目ましてだね!笑」

「はい笑
お仕事帰りですか?」

「そうそう!マキちゃんも?」

「さっき来たばっかりですよ!」

「じゃあ仕事は終わりにかんぱーいっ」

そういうとユウさんは美味しそうにビールをごくごくと飲んでいった。

「くぁーーーたまんないね!」

「美味しそうに飲みますね!」

「おじさんになればお酒が格段に美味しくなるんだよ笑
あ、そういえばマキちゃんは美容に興味あるの?」

「おじさんね…笑
興味ありますよ!なんなら、今エステの仕事に就いてます♪」

「あ、そうだったの?
なら話は早いや、今ねうちで美容院とネイルサロンとカフェを合体させたサロンを作っていこうと思ってるのね?
あとはちょっとしたマッサージもいれたくて…」

「へぇ面白そうですね!私ネイリストも憧れてたんですよね!」

「そうなの?ならウチにきて色々みてみない?」

「いいんですか?では今度休みの日にお邪魔させてもらいます♪」

「こちらこそ、いいの?ありがとうね
連絡先交換してもいいかな?」

「もちろんです!わざわざありがとうございます!」

「わざわざなんて事じゃないよ笑
仲良くしていこうね?よろしく」

そしてその日の二度目の乾杯をして
色々な話をした。

私が彼氏と別れたばかりのこと、
高校を中退してニートやってたこと、
独りの時間が苦手なこと。

ユウさんは私の反面
楽しいことばかり話した。

お店での面白い出来事
息子さんの成長したこと
仕事にやりがいを感じて少し家をほったらかしなこと

ユウさんが話している内容に
私はお酒が進んだ

同じ時間が過ぎているのに、こんなにもちがう生き方があるんだ。
私って勿体ない!

明日からもっと仕事に取り組んでいこうかな。


そう、私が求めていた刺激がみつかったのだ。

「ユウさん!今日も楽しかったです♪
元気出ました!」

「そう?おじさんパワーわけたからかな?笑」

「え、いらなーい笑」

「元気でるぞー?」

こうやって冗談混じりで話せて、
ずっと笑いっぱなしなのは久々

ほっぺの筋肉がすごーくいたい笑
この状況にも笑えてくる


こんなに楽しいこと身近にあったんだな。
ますますここに通っちゃいます…


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