雪と断罪とそして、紅
私の飼っていた虫達の中には毒を持つ虫もいた。
でも、そんな虫達を僕は操る方法を赤い瞳の男から教わっていた。
蟲術。
虫を操って人を殺すなんてそんなのフィクションだと思ってたけど、実際行える。
それは目の前の光景が証明している。
「貴方、何を考えて……」
二番目の姉が私に掴み掛かってこようとしたけど、父さんの二の舞になりたくないのか踏み留まる。
ムカデな噛まれ、膝を付いていた父さんは床に倒れ泡を吹いて死んでしまっている。
誰だって二の舞になりたくはないだろう。
でもね、そうは行かないよ。
──っと、その前に……。
「そうそう、皆にお土産があるの」
私はボストンバッグを床に置くとファスナーを開けて、中から取り出したそれを母さん達の方へ放り投げる。
それが床に落ちると、母さん達の悲鳴が響き渡る。
「出て行っちゃった姉さんを連れてきたんだ。首だけだけど」
私が母さん達の目の前に放り投げたのは私が信じていた姉の生首だった。