雪と断罪とそして、紅


「あんた、何でこんなこと……」




二番目の姉がきっと睨み付けてくる。





四番目の姉は目の前の一番上の姉の生首に吐き気を催していて、三番目の姉が背中を擦っていた。






母さんは父さんと姉さんの生首を呆然と見つめている。






「何で?何でだろう?」





「あんた──」





「何でだろう?何で私は家族なのに、認めてもらえないのだろう?」






「え?」





私の呟きに姉達は訳が分からないと言うように眉をひそめる。






分からないんだね。






じゃあ、もう良いや。





私はムカデを離すと、ボストンバッグをひっくり返した。





ボストンバッグの中からは毒を持った蜘蛛やら蛇、虫が出て来て、母さん達の方へ向かっていく。





「家族って何だろうね……」






母さん達の悲鳴を聞きながら、私は空に飛び立つ蝶の姿を見つけた。





バイバイ、綺麗な蝶さん……。






バイバイ、私の家族……。





バイバイ、僕……。









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