雪と断罪とそして、紅
紅と朱
体が何かに貫かれた。
視線の先には涙を目一杯に溜めたアリスちゃんがいる。
横を見れば、僕の体に覆い被さるように意識を失った天河君がいる。
僕と彼の体は鉄骨で貫かれている。
あぁ、僕は死ぬんだ……。
でも、僕は蘇るんだ……蘇って、また人を……女を──。
ふと、アリスちゃんの泣き顔が視界に再び映り、その姿が≪彼女≫と重なる。
何で今さらあの子が出てくるの?
……そういえば、最後に見たあの子は泣いていたっけ?
今から死ぬ僕には関係ないけど、君は何してるのかな……。
──朱寧。