雪と断罪とそして、紅



あの子と出逢ったのは僕が死ぬ前だった気がする。




天河君達と出会う前。






桜が散って、青葉が芽吹くその頃だったような気がする──。







「さてと……散歩でも行こうかな」





その日、僕は日課である夜の散歩へ出掛けた。






僕にとって夜の散歩は殺戮の時間。






夜歩いている女を見つけて、殺す。






大抵の女は僕のこの気持ち悪いくらい整った容姿に見惚れ、殺されるとも知らずにノコノコとついてくる。






多分、僕が整った容姿に生まれたのはこんな風に女を殺すためなんだと思ってる。






この日もその気持ち悪いくらい整った容姿を使って女を引っかけて、殺そうとしていた。






「あ、あの子にしよう」





殺戮の対象として運悪く見つかったのは高校生の女の子。





あんまり大人すぎてもつまらないし、子供過ぎてもつまらない。






高校生から20代の人が理想的だ。






……そういえば、初めて子供を作った相手も高校生だったな……。





そんなことを考えながら、僕は高校生に近付く。





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