雪と断罪とそして、紅
──体が宙に浮いた。
視線の先には朱寧に良く似た目をした女の子。
その子は僕を≪お父さん≫と呼んだ。
その子の傍には僕に似た男の子もして、アリスちゃんや寿永の息子君や摂紀もいる。
あぁ、僕の子供達はちゃんと周りから支えられ、愛されてるんだ。
そうじゃなかったら、あんな風に周りに人はいない。
……朱寧、僕達の子はちゃんと周りから愛される子に育ったみたいだよ。
あそこに君がいないのはあの子達を生んで、君は命を落としたからだよね。
君は死んでも僕の子を生みたかったんだね……。
君は本当に僕を愛してくれてたんだね。
気付くのが遅かったな、本当に……。
朱寧。
僕と君が還る場所は違うけど、僕は君に会いたいと願ってしまうんだ。
会って、伝えたいんだ。
「愛してくれて、ありがとう」
その言葉を──。