雪と断罪とそして、紅
「よーし、明日は非番だし飲むぞー!」
「一飛、非番って言っても有事は出るんだから飲みすぎるなよ」
そう言いながら料理を取り分ける才暉はやはりオカンなんだと思う。
「分かってるよ!ほら、才暉も甘ったるいチューハイを開けて乾杯だよー!」
「……お前、酔ってないよな?」
「休みの前の日ってテンション上がるよねー!」
才暉は妙にハイテンションな僕に呆れながらも、アルコール度数が3%の甘ったるいチューハイを開けた。
そして、僕の持つビールにコツンと当てる。
それを合図にビールを煽ると、ビール独特の苦い味と炭酸が喉を通り、潤していく。
「っかー、美味しい!やっぱり仕事終わりのビールは美味しいね!」
「……おっさんか、お前は」
豪快に飲んだ僕とは対称的に、才暉はちびちびと飲んでいる。
厳つい見た目の割りに酒に弱い才暉と大人しそう?な見た目の割りに酒に強い僕。
だから、よく逆じゃない!?って突っ込まれることが多い。