雪と断罪とそして、紅
──そして、30分後。
「一飛ー!飲んでるかー!?」
「飲んでるよ。……何で30分かけて3%のチューハイ一本飲んで酔っぱらってんの、コイツ」
目の前で頬を真っ赤にして、楽しそうな顔をする才暉に呆れた眼差しを向ける。
30分でチューハイ一本の才暉に対して、僕は缶ビールを二本開け、今からハイボールに移ろうとしていた所だ。
才暉は春巻をつまむと、タバコに火を付けて紫煙を吐き出す。
「これまで色々あったな……」
そして、前触れもなく染々と語り始める。
出た、才暉の酔っぱらうと過去のことを話したがる病が。
あー、面倒……。
朱鷺が生きてた頃は朱鷺が聞き役に徹し、て酒を上手く勧めて寝落ちさせてたけど、僕はそんな器用なことは出来ない。
酔い潰しても良いけど、明日恨まれたくないから止めておこう。
僕は才暉の人に迷惑をかける酔っぱらい方に苛立ちを感じながら、ウイスキーと炭酸でハイボールを作って飲んだ。