雪と断罪とそして、紅


「不器用過ぎるよね、才暉は……」





「うん。でも、アリスさんが幸せそうに笑っているから良いんだろうね」






「そういう奴だから」





僕は氷ですっかり薄まってしまったウイスキーを飲み干すと、グラスにウイスキーを注ぎ直す。






「……でも、それは才暉さんだけじゃなくて彼らも同じみたいだよ」





「彼ら?」





「和真さんと朱鷺さんと小鳥遊さん。結婚式見に来てたよ」





……ああ、そういうことか。






侑吏は霊感が強い。





だから、死んだ彼らの姿を結婚式で見たのかもしれない。





「てか、それ。初耳なだけど」





アリスの結婚式は大分前だ。





それなのに、今聞くって….。





「え、才暉さんから聞いてないの?僕、もう何年も前にこの話したのに……」






は?意味不明なんだけど。





除け者のように扱われて、僕はムッとする。







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