雪と断罪とそして、紅
そして──。
「凌くーん!」
その影は寿永隊長に飛び掛かり、飛び掛かれた彼はたたらを踏む。
「か、叶花!?」
「会いたかったー!」
叶花と呼ばれたその影はこの後、ド肝を抜かれるような行動をする。
「「「!?」」」
彼女の行動に私と紅斗、小鳥遊君は言葉を失う。
い、今何を──。
「……っおい!そんなベタベタな唇で何するんだ」
寿永隊長は唇を袖で拭うと、彼女を睨み付ける。
「何ってキスだよ♪婚約者にキスしちゃダメなの?てか、グロス塗った唇じゃなければしていいの?」
彼女は寿永隊長に抱き着き直すが、彼にひっぺがされていた。
うん、今キスしたよね?
うん、今婚約者って言ったよね?
…………………………………………え?