雪と断罪とそして、紅
「ひ、寿永隊長!?」
「お前は本当に……」
顔を上げれば、寿永隊長は穏やかな笑みを浮かべていた。
間近で見るその笑顔は破壊力抜群で、顔に熱が持っていく。
「叶花」
「な、何?凌君」
「顔は変わっても中身は変わってないんだな。それに、お前は知っているだろう?……俺が俺の選んだ奴を馬鹿にするようなことをいう奴が大嫌いだってことを」
叶花さんに視線を向けた彼の目は冷たい。
彼は自ら選んだ人を馬鹿にする人を嫌う。
それが誰であろうと怒りを露にする。
寿永隊長に睨まれた叶花さんはびくりと肩を揺らして、涙目になった。
でも、負けないと言わんばかりに声を張った。
「そんなの知ってるよ!知ってるから言ってるんだもん!それに、絶対あたしの方が優秀だって思ってるから言うんだよ!」
……凄い自信。
私はその自信に感心してしまう。
「……相変わらず自信過剰だなー。俺、本当にあの子は無理だわ」
「僕も無理」
小鳥遊君と紅斗はげんなりとした顔で叶花さんと寿永隊長のやり取りを見ている。