雪と断罪とそして、紅


「小鳥遊君、あの人って昔からなの?」





私は寿永隊長達の様子を見つつ、小鳥遊君に問う。





「あー、昔からかな。彼女、僕達より一つ下なんだけどさ、何というか生粋のお嬢様体質っていうか……」





「「あー」」





小鳥遊君の言葉に、私と紅斗は納得するのように頷いてしまう。






私の知ってるお嬢様は蓬條家の令嬢の詩依さんと藤邦家の令嬢の志摩さんしか知らない。





あの二人はお嬢様だけど、何処か親しみやすさが感じられた。





でも、彼女は……。





彼曰く、彼女は一之瀬財閥の一人娘として大事に大事に大事に大事に育てられたお陰で昔はぽっちゃり体型だったらしい。





三年前に海外に行ったかと思えば、三年後にはモデル顔負けのスタイルをしている。






ダイエットを頑張るような質ではないようだから、恐らく整形だろうと小鳥遊君は言っていた。





「それに、昔っから姉さんや詩依さん達に対抗心が強くてさ。ほら、凌って自分が守りたい人には優しいじゃん?それがあの子にはムカつくみたいでね」





寿永隊長の態度を見る限り、叶花さんには対する優しさは感じられない。





むしろ、迷惑しているような感じだった。






彼女が彼を好きなのは分かる。





でも、好かれたいならそれなりに彼の気持ちも考えないと嫌われる一方だよ。






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