雪と断罪とそして、紅
「凌君も皆さんも仕事の邪魔してごめんなさい。あたし、今日は帰ります」
さっきとは違う態度に小鳥遊君と紅斗もアホみたいな顔をしている。
でも、寿永隊長だけは険しい顔をしていた。
「じゃあ、あたしはこれで」
叶花さんは頭を下げると、執務室を出ていった。
彼女の姿が無くなると、紅斗はため息を吐く。
「何なの、あの子?」
「素直に帰るとか不気味だよね、凌」
「ああ」
寿永隊長は小鳥遊君の言葉に頷くと、スマホを取り出して何かを打ち込むと誰かにメールを送った。
確かに彼女の豹変ぶりは不気味だ。
それに、何か嫌な予感がする。
この感じた嫌な予感。
それは的中することになる。