雪と断罪とそして、紅



次の日。




「言っている意味が分かりません」





私は目の前にいる警官の言葉に、声を震わせる。






目の前の警官が言った言葉。






それは──。






『浅井紅緒さん。貴女に一之瀬叶花さんに対する暴行容疑がかけられています。……署までご同行願えますか?』





叶花さんに暴行?





何それ、全然心当たりが無いんだけど……。






「意味がわかりませんと言われましても、一之瀬さんから被害届が出ていますので」





「……っ!?彼女に会わせてください」





「彼女は現在入院中で、全治一ヶ月の怪我を負っています。それに、貴女に暴行されたショックで精神的にも不安定になっているので会わせることは出来ません」





淡々と告げる警官に苛立ちを感じた。





そんなの嘘っぱちだ。





私に彼女を暴行する理由がない。






それなのに、何で私はこんな疑いをかけられている?






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