雪と断罪とそして、紅
「……分かりました、同行します」
「浅井!?」
眉をひそめる寿永隊長に、私は無理矢理笑って見せる。
「寿永隊長……。貴方は何があっても私の味方でいてくれますか……?」
「当たり前だ。お前は俺の補佐官だ。それに、俺だけじゃない。この場にいない紅斗や江、他の奴らもお前の味方だ」
その言葉が聞ければ良い。
私は警官の方に近付くと、
「任意同行に従います。ですが、私はやっていません」
とはっきり言った。
でも、警官は何も言わずに逃げないように私の左右を塞いだ。
「浅井!行くな!」
寿永隊長の呼ぶ声が聞こえたけど、私は振り向かなかった。
振り向いてしまえば、私は彼の元へ戻ってしまう気がしたから──。