雪と断罪とそして、紅
私はやっていない。
でも、彼ら以外は信じてくれない。
私は罪人扱いだ。
何でこうなったの?
私が何をしたの?
うつ向きながら警察署内を歩いていると向こうから人が歩いてきた。
そして、その人はすれ違い様にこう言った。
「貴女の居場所、あたしが奪ってあげる。殺人鬼の娘にはあの場所は相応しくないからね」
その声は叶花さんのものだった。
やっぱり、私はそう呼ばれるんだ。
そして、奪われるんだ。
ようやく見つけられた私の生きたいと思った居場所を。
「寿永隊長……」
頬に涙が伝うのを感じながら私は唇を噛み締める。
口内には血の味と涙の味が広がった──。
─後編へ続く─