雪と断罪とそして、紅



「証拠はあるんだ。いい加減認めたらどうだ?」





刑事が一人、机を挟んで私の向かいに座っている。





その後ろにはその部下も控えている。






私は今してもいない罪を押し付けられ、尋問されている。






刑事のいう証拠は防犯カメラの映像で、その映像には確かに私が叶花さんを殴っている姿が映っている。






でも、私は心当たりがない。





それに、昨日の夜は──。





「私にはアリバイがあります。昨晩、私は寿永操様と面会しています。彼女に確認を取ってください」





「そんな嘘っぱちが通じると思うのか?寿永様はご多忙なお方だ、簡単に面会など出来るはずがない」





アリバイを言っても、操様に確認もせずに私の証言を一蹴する。





こんな風に尋問されていると、冤罪というものが何故起きるのか分かった。






無実なのにそれを受け入れてもらえない。






誰にも信じてもらえない極限状態に居続けたら、してもいない罪を認めてしまいそうになる。





でも、私は認めない。






彼らだけは信じてくれていると信じてるから……。









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