雪と断罪とそして、紅


「何もかもお前の父親のせいなんだよ。犯罪者の娘なら娘らしく、日陰で生きとけよ」






……確かに切碕は……お父さんは人をたくさん殺した。





でも、最期は自分のやって来たことを悔やみ、全ての現況を自分の存在と共に終わらせた。




そんなこと出来るのは強い人だと思う。






それなのに、お父さんはいつまでも凶悪な殺人鬼としてしか扱われない。






私もそんな凶悪な殺人鬼の娘としか扱われない。





犯罪者の娘だからって何でこんな目に遭うの?





日陰で生きていれば、こんな風にはならなかったの?






──もう面倒だ、していない罪だけど認めてしまおうか……。





自分の弱さと不甲斐なさが悔しくて、涙が滲む。





「ほら、認めちまえよ。ほら、ほら!」





もうこれは脅迫だ。





無理矢理にでも認めさせようとしている。






駄目だ、もう何を言っても無理だ。





私が認めて喜ぶのはこの刑事と彼女、認めたくなかった。






でも、もう──。







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