雪と断罪とそして、紅
どうやら、私の意見を汲んでくれるようだ。
私は彼の提案に頷くと、彼の手をきゅっと握った。
「叶花さんはどうなりますか……?」
つい気になったことを聞くと寿永隊長は足を止めて、私の方を見た。
わぁお、背後に鬼が見えるよ。
完全におこだよ、寿永隊長……。
「お前はあんな目に遭わさせたのにアイツの心配か!?どれだけお人好しなんだ!?」
彼は私の頬を指先で摘まむと、横に引っ張る。
「いひゃひゃ!し、心配というか……気になっただけで……っ!」
「それをお人好しって言うんだよ!」
頬から手を離した彼は盛大にため息を吐くと、今度はがしがしと頭を掻く。
「……一之瀬は寿永の配下に入りたいと申し出てきていた。どうやら、経営が上手く行っていないらしい」
経営が上手く行かず、立て直すために寿永の配下に入ろうとしていた一之瀬。
でも、恐らく寿永は──。