雪と断罪とそして、紅


何か黒代の様子が変だ。





「黒代、どうした?何かあったのか?」





抱きついてくる黒代の背中に手を回して抱き締める。





さっきも思ったが、黒代はこんなに細かっただろうか?






元々華奢な体型ではあったが、最近は更に細くなった気がする。





「何もないよ。ただ、私も何十年もしたらしわしわのおばあちゃんになっちゃうからそれでも好きでいてくれるのかなーって思って」





「何言ってんだ。お前がしわしわのばあさんになる頃には俺はしわしわのじいさんになっちまうよ」





「あ、そっか!」





黒代の楽しそうな笑い声が耳に届いた。






黒代は笑っているし、様子が変だと思ったのは気のせいだったみたいだ。





気のせいだったみたいだ──。





それは大きな間違いだったんだ。





その夜、あれだけ楽しそうに笑っていた黒代は手首を切って自ら命を絶った──。






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