雪と断罪とそして、紅


「本当にこの子達は天使だ!」





カメラのシャッターを頻りに切りまくるパパ。





カメラが向けられる先にはお揃いの薄ピンクのワンピースを着て、大人しくカメラを見つめる私達。





「アンジェラ、アンジェリア、アンジェロ……。こんなに天使と言う名前が合う子達があたしの娘達なんて……ああ、幸せ!」





そんなカメラを見つめる私達を抱き締めるママ。





天使、天使、天使……。






私達は物心ついた頃から両親からそう言われ続けた。






確かに自分で言うのもおかしいけど、私達は傍目から見たら天使みたいな容姿をしている。




色素の薄い髪色に青い瞳、白い肌。





西洋人なら当たり前の容姿だけど、私達は瓜二つならぬ瓜三つ……全く同じ容姿が三人いる。





髪型と性格が違うだけで体型や顔の造形、声までもがそっくりな三つ子……それが私達だ。






天使と言われて嬉しくない訳じゃない。





でも──。






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