雪と断罪とそして、紅
「本当に申し訳ありません!娘には私どもからきつく言って聞かせますので!ほら、お前も謝りなさい!」
「やだ!私は悪くない!悪いのはアンジェラちゃん……あの子達だもん!だって、私のこと虐めるんだもん!」
私達を指差して訴える同級生言葉に、彼女の両親は顔を更に青ざめる。
あーあ、バレちゃった……。
アンジェラが突き飛ばされた理由が分からないなんて嘘。
あの子は私達三つ子から虐めを受けて、抵抗してアンジェラを突き飛ばしたんだから。
両親から盲目なまでに愛された私達は他人の痛みが分からない。
どんなことが嫌で辛いのか、分からない。
分からないからどんなことが辛いのか同級生を虐めて分かろうとした。
それでも分からなかった。
「二人共、本当なのか?アンジェラはその子を虐めていたのか?」
パパが驚いたような顔をしながら私達に近づいて来た。
「アンジェロ……」
すると、アンジェリアが私に目配せをしくる。
それを合図に私とアンジェリアは嘘泣きを始めた。
「アンジェラもアンジェロも私も……虐めなんかしてない……。パパは私達よりあの子を信じるの?」
「そうなの、パパ……?」
私達の涙に、パパは私達を抱き締める。