雪と断罪とそして、紅
「いっつ……」
赤く腫れた頬を押さえ、ヨロヨロと人々の雑踏の中を進んでいく。
体には青アザが出来、髪も短いところもあれば長いところもある。
「何であたしがこんな目に……」
悔しくて歯を食い縛れば、口の中に血の味が広がった。
あたしは間違っていない。
間違っているのはあいつらなんだ。
でも、皆あたしが悪いと非難する。
来るな、死ねと罵詈雑言を浴びせられる。
じゃあ、本当にあたしが死んだらあいつらは自分達が悪かったと思うかな?
そう思ったら、体は自然とビルの屋上へと向かっていた。