雪と断罪とそして、紅


それから私達家族は何の縁もない異国の日本へと移住し、移住先の日本の家の中だけになった。





外に出ることも許されず、動けるのも足枷に付けられた鎖が届く私達の部屋とリビング、トイレとお風呂だけだった。





足枷から逃れたくて暴れてみたけど、全然びくともしなかった。






「ねぇ、アンジェラ。アンジェリア」





「「何?アンジェロ」」





「私達、バチが当たったのかな……」





私達は人の不幸を喜んでいた。





人を虐めて楽しかったし、笑えた。





それが駄目だったのかもしれない。






そんなことをしたから神様が怒って、私達の自由を奪ったんだ。




まるで、籠の中の鳥……翼の折られた鳥のような気分だった。





頬に涙が伝うと、同じ感情だったのか二人の頬にも涙が伝った。





私達はもう自由にはなれない。





私達が自由になる方法はただ一つしかない。





それをしてしまえば、私達は本当の悪魔になってしまう。




でも、私達は──。






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