雪と断罪とそして、紅
────────────────
────────────
────────
────
「ん……」
目を覚ました私は見知らぬ部屋にいた。
体を起こして室内を見渡したけど、此処が何処なのか分からなかった。
「起きましたか?」
すると、閉じていたドアが開いて瀧澤と見知らぬ男が立っていた。
見知らぬ男は如何にも怪しい感じで顔を狐のお面で隠していた。
でも、瀧澤がいることに安心する。
「瀧澤、此処は一体……。それに、お父様は──」
「ああ、此処は遊女屋だよ。あと、あの男はあのまま吊るしてきた」
瀧澤は敬語ではなく砕けた口調でそう言うと、にっこりと笑った。
遊女屋?
今時そんなところがあるなんて……。
いや、待って。
何故、私はそんなところにいる?
混乱する私の様子に、瀧澤は堪えきれないというように笑い声を上げる。