雪と断罪とそして、紅
私は絶望した。
己の神と崇め讃える彼が死んでしまったから。
私は歓喜した。
己が神と崇め讃える彼の復活の手助けをすることが出来るから。
消えたと思った彼の遺品の黒いノートを手に私は決意する。
必ず彼を蘇らせると。
必ず守り抜き、彼の前に差し出すと。
あぁ、切碕様……待っていてください。
今、この安倍明晴が貴方様を蘇らせて見せましょう。
そして、貴方様が前に差し出しましょう。
貴方様の血を引く二人の貴方様を──。