雪と断罪とそして、紅
「お前は男だ。そんな格好をするべきじゃない」
そう言って、父さんは僕のクローゼットから取り出した服を火の中に放り込んだ。
パチパチと音を立てて燃えていく服。
それらは僕が父さんに隠れて買った女の子の服だ。
僕は男だ。
でも、好きなのは女の子が好きなもの。
ピンクやぬいぐるみ等の可愛いものが大好きだった。
僕の体は男だ。
でも、好きなのは女の子が着たりする服。
スカートやショートパンツ等の女の子が着る服が大好きだった。
好きなのは女の子が好きなもの。
僕は男じゃない、女の子なんだ──。