Flower love
「俺、救急車呼んできます!」

と、レオが工場を出ようとした瞬間、



――パーンッ!――



レオの直ぐ足元に銃声とほぼ同時に火花が散った。

「う、動くなぁっ!」

銃を構えた男が撃ったのだ。

「……人の命より金か」

ロアは男たちを睨む。

「おい! バッグを持った男! そのバッグをここまで持って来い!」

指名されたラウルは、ゆっくりと歩み出す。

物凄い緊張感がその場に広がった。

ラウルが銃を構えた男の前まで着く。

「そのバッグを、そこに置け」

男の命令に従い、ラウルは目の前に置こうとバッグを下ろした。

そして、思いっきりバッグを振り上げて男の顔面を狙う。

再び銃声が響き渡った。
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