Flower love
*:;;;:*第1章*:;;;:*

すがすがしい朝。

家の窓から明るい日差しが差し込んでくる。

普段は自分以外誰もいないはずの家。

それなのに今日は何故かリビングの方でテレビの音がしていた。

と、いうことは誰かがいるんだ。

父か……もしくはお化けか……。

身支度が整った後、リビングに行って確かめてみると、お化け……じゃなくて父がいた。

あたしが生まれる前はイケメン俳優として働いていた父。

ロウン=サッチェスは、現在もなおドラマやコメディ番組などに出演している。

父はあたしが小さい頃から忙しく、あたしが寝てる間に帰ってきて、寝てる間に仕事に行ってしまうのだ。

そのため、あたしの幼い記憶の中に父と遊んだ記憶は全くなかった。

けれど、寂しいとは思ってない。

だってテレビをつければ直ぐ父の顔が見れるんだもん。

逆にうんざりするわ……。

水星人の血が濃いため、瞳は氷のように冷たい水色。

四十代のオジサンにしてはそこまで老けてないと思う。

さすが、元イケメン俳優……。

娘のあたしでさえも感心するくらいだ。

そんな父は今、テレビを見ながらコーヒーをすすって何故か和んでいた。

いつもなら仕事のはずでいないはずだ。

こうして生で父を見たのも多分二、三週間ぶり。
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