Flower love
次の日、あたしは午前中バイトに出た。
鼻歌なんかを歌って、お花を並べている。
「ご機嫌だねぇ」
ロアは、レジからそんなあたしをにこにこと見ながらこう言う。
「そうですか?」
「うん、幸せそう。なんか良いことあった?」
ライムは小首を傾げて問う。
「別に、何もないよ」
「お前にとっての良いことは、俺らにとって悪いことだからな」
レオは花の枯葉を千切って捨てる。
「あのさ、何であんたってそんなに皮肉屋な訳? そんな皮肉ばっか言ってると、好きな子に嫌われるよ」
あたしは目を細めてレオを見つめる。
レオはあたしの方を見もせずに、
「もう嫌われてるよ」
と、一言言っただけだった。
あたしは首を傾げ、レオに近づく。
「なんかあったの?」
「お前には分からない。死んだって、絶対に分からないっ!」
レオはあたしを睨んでこう言う。
「何、分かってほしい訳?」
あたしは顔をしかめてレオを見つめた。
が、レオは呆れたようにあたしを見て、深いため息をつきあたしの前から消える。
「変な奴」
ライムは苦笑しながらレオを見つめていた。
リムは無表情でお客の注文品を包んでいる。
「まぁ、レオはいつもおかしいからさ」
ロアは肘をついて笑いながらこう言った。
「ですね」
あたしはくすっと笑って、仕事に戻った。