「其の花の、真白に咲く」〜麗しの執事と令嬢の秘恋〜

第1章 青い瞳の執事

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「……お嬢様、お目覚めでございますか？」

頭の上から声が聞こえて、「うん…」と、寝台の上で寝返りを打つ。

「お嬢様……ジュリアお嬢様。もうそろそろ起きられてくださいませんか？」

耳に枕をあてて、呼びかける声を遮る。

「…ん、もうちょっと寝かせて…リュート」

私が耳にあてた羽根枕を、そっと手でどかして、

「…いけません、お嬢様。もうお昼時にもなりますから」

執事のリュートが、耳元で言う。

彼の声音はいつも低く甘く優しく響いて、耳をくすぐるようにも感じられた。

「……だって、まだ眠いんだもの。もう少し……いいでしょう？」

少しだけ目蓋を開けて、上から見下ろしているリュートの顔を見やった。