「其の花の、真白に咲く」〜麗しの執事と令嬢の秘恋〜
第5章 純白の花
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……どれくらいの時間が過ぎたのか、やがて動くことさえも億劫にもなってきた頃、
不意に、ガチャリと扉の開けられる気配がしたーー。
目を上げて、そちらをぼんやりと見ると、
「……お嬢様」
と、小さく呼びかけられた。
部屋の中へ入って来たその人は、寝台に横たわる私を抱き起こして、
「……こんなに衰弱をされて、お痛わしい……」
と、嘆きの声を上げた。
「……サム、どうして……」
年老いた庭師のサムの顔を見やった。