ありふれた恋。
袋の中を覗けば、なにやら色々入っていた。
イチゴ大福、イチゴどら焼き……
イチゴマシュマロなんてのもある。
「ハッピーバースデー!」
いきなりクラッカーの音。
目を丸くする私を見て、ひとり爆笑し始めた。
「どう?サプライズの感想は?」
「ありがとう」
祐太郎がくれたイチゴの詰め合わせをぎゅっと抱き締める。
「祐太郎……」
「なんだよ、嬉しそうな顔をしろよ」
今、自分がどんな顔をしているのか容易に想像できた。たぶん、泣く一歩手前のぐしゃぐしゃの顔。
「泣いてもいーぜ」
祐太郎のその一言は、涙を溢れさせるのには十分だった。
陽介の前では泣いたことなんて一度もないのに、
祐太郎の胸を借りて泣いたのは、これで何度目だろうか。
もう数えられないほどだ。