ありふれた恋。
「おめでとう」
時計の長針と短針が重なった時、
陽介は私に触れた。
床に座っていた私の腕を引っ張るとベッドの上へ誘導する。
「ありがとう」
促されるままに、陽介の隣へと移る。
おめでとう、そうもう一度呟やかれ、
ベッドの上に座って顔を見合わせた。
暗闇に慣れた目で陽介の顔を見ると、意地悪そうな笑みを浮かべている。
「18なんて、まだまだ子供だな」
「22歳の陽介は、もう大人?」
「俺も、まだまだ子供」
「そう?だって成人してるじゃん」
「ばーか」
陽介は私の髪をくしゃくしゃにした。