幼馴染の 愛でられ姫
近づく距離
タクシーから 降り立った場所を見渡した美桜は絶句した……
(たたたた)ごくりっ 生唾を飲み込み
(タワーマンション!!!)
しかも、周りを見渡しても、明らかに
このマンションしか 指定された場所には
無かったのだ。
素敵な外観が目に入る。
(素敵な場所ではあるわ。ぅん……)
近くにベンチが置いてある事に気付き
腰を下ろし 伊織を待つことにした。
思い返してみれば、中学入学前のあの日以降の
伊織の事は何も……何も と言っていいほど
知らないのだ……。
両親は きっと、私が 寂しがらないようにと
ありったけの時間を提供してくれていたのだと思う。だから 伊織の居ない時間は 思ったよりも長くは感じられなかった。
正直、幼少期から当たり前のように傍にいて
ずっと一緒に居られると思っていたから
居なくなるだなんて、思っても居なかった。
一緒に居られない……
それを知った時 絶望の淵に立たされ
涙が止まらなかった事を思い出す。
だけど、だけど、『待っていて』
の伊織の言葉だけを信じて 今日まで過ごして
きた美桜。
自分でも よく 我慢したなーと思う。
この タワーマンションには 何があるのだろう。
高い空を見上げ 深呼吸し 伊織がくるのを
じっと待って居た。
(たたたた)ごくりっ 生唾を飲み込み
(タワーマンション!!!)
しかも、周りを見渡しても、明らかに
このマンションしか 指定された場所には
無かったのだ。
素敵な外観が目に入る。
(素敵な場所ではあるわ。ぅん……)
近くにベンチが置いてある事に気付き
腰を下ろし 伊織を待つことにした。
思い返してみれば、中学入学前のあの日以降の
伊織の事は何も……何も と言っていいほど
知らないのだ……。
両親は きっと、私が 寂しがらないようにと
ありったけの時間を提供してくれていたのだと思う。だから 伊織の居ない時間は 思ったよりも長くは感じられなかった。
正直、幼少期から当たり前のように傍にいて
ずっと一緒に居られると思っていたから
居なくなるだなんて、思っても居なかった。
一緒に居られない……
それを知った時 絶望の淵に立たされ
涙が止まらなかった事を思い出す。
だけど、だけど、『待っていて』
の伊織の言葉だけを信じて 今日まで過ごして
きた美桜。
自分でも よく 我慢したなーと思う。
この タワーマンションには 何があるのだろう。
高い空を見上げ 深呼吸し 伊織がくるのを
じっと待って居た。