幼馴染の 愛でられ姫
重なる 想い
ポタ……ポタタ
前髪をかきあげながら
歩いてくる 伊織……
『い、伊織? 』
『美桜、覚悟……出来た?』
ずぃっと 顔を近づけられ その色っぽい姿に
ぽぉーっと 見つめ返す美桜……
『美桜 ──』
ちゅっ と 軽く 口づけをして
美桜をいとも簡単に 抱きあげて
歩いていく 伊織……。
美桜は それに応えるように ぎゅっと 伊織に
しがみついた。
そーっと 慎重にベッドに下ろされる
『美桜……もぅ 我慢できない。
優しく、なるべく優しくするから
受け入れて…』
『伊織……』カタカタカタと 小刻みに震える美桜。
なんと言っても、初めて。で、、、
『美桜、震えてる……。けど、白状するけど
俺も 美桜以外いらないと 思ってたから。
その……経験無いんだ……』
照れくさそうに目線をそらす伊織を
愛おしく 想いながら 美桜は 腕を伸ばす。
『伊織…… 一緒だね。 私……凄く幸せだよ』
『美桜……』
伊織は これでもかってくらい優しくて
『美桜 やっと繋がれた』苦しそうな表情。
『伊織ぃ』 涙が 流れ それを伊織に吸われ
お互いに 幸せに浸っていたのも つかぬま…
美桜が甘い声を漏らすと
スイッチが入ったように
翻弄され……鳴かされて…
『美桜、まだだ……まだ止めてあげない』
『あぁ、いやぁぁあ』
『いやじゃないだろ?』って
初めてなのに鬼だと思ったのは
言うまでもない……。
『伊織ぃ……』
『ん?なぁに?美桜 』ちゅっ
『鬼』(思わず心の声が……)
伊織を見上げると
『何? もう一度言ってみようか……』
と、太腿に 指がかかる
(やばいっ!!)
『伊織、いやぁあ ! あっ、だめだよ?
本当にもうダメー』
『あはははは、流石に初めてだしな。
もう、今日は 何もしないよ♪』
(今日は? 今日はって 言ったの?)
目を見開き 信じられないといった様子の美桜を伊織は 愛おしそうに 見下ろしていた。