幼馴染の 愛でられ姫
コンコンコン……
扉をノックする音が響く
『はい…』
『美桜、もっとじっくり 美桜を堪能したいけど
タイムリミットみたいだ』
『っっっ!』
顔が赤くなるのを感じながら
ぱっと 伊織から離れる
『失礼致します社長 、そろそろ会議の
お時間です ご移動願います。』
『ああ、わかっている。』
『真壁…君は退社後
ここで待っているように』
『……?』
『藤堂、今日の会合への同行は不要だ。定時まで 真壁のOJTを頼む』
秘書が瞳の奥を揺らすのが垣間見えた
では、行ってくる ……と
有無を言わさず 社長室を出て行く伊織を
秘書は眉間に皺を寄せ目で追い……
美桜もまた 伊織の後を目で追っていた