警備員とお嬢様
私の家は、代々家業を営んでいる。


ショッピングモールや、工場などを運営して生計を立てている。


櫻川グループ


日本人なら誰しもが聞いたことのあるような大きな会社にまで成長を遂げ、私はいわゆる『お嬢様』という立場にいた。


櫻川正次郎


それが、父の名前である。
父は櫻川グループ4代目で、全盛期の真っ只中に会長を務め始めた。
祖父の頑張りあってか、全盛期だからなのか、事業は軌道に乗り、ますます櫻川グループは成長をしていた。


父は仕事を愛していて、誇りを持って取り組む姿にはテレビ等で取材をさせてくれとオファーが来たり、雑誌社からの連絡も絶えない。


しかしそれは表の姿である。


本当の顔は...


「ななみたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」



「やだ!お父様!引っ付かないで!香水臭い...」


「ななみたん...辛辣すぎるよ...パパ泣いちゃうよ?人目もはばからず泣いちゃうよ?」


「恥ずかしいからやめて!」


裏の顔はとてつもない重度の親バカというものなのです…
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