チーム『KTSM』へ ようこそっ!!


ドキッとするような、優しい笑顔。

意地悪な部分なんてなくて、本当に本当に優しい微笑み……。



「ボール、構えて」

「あっ……はいっ……」

「もう少し肘を締めて、それから、腕だけじゃなくて体の全体で投げる感じを意識して。 膝を使うと、投げるのがもう少し楽になると思う」


「ん……」



肘を締めて、膝を使って……って、これでいいのかな……?



「背筋伸ばして、リングをよく見る」

「あっ……」



うわっ……ケイくんが、私の真後ろにっ……。



「そう、こんな感じ」

「う、うんっ……」



私の手を、ボールの投げやすい位置へと動かしていくケイくん。

どうしよう、すっごい密着してる。

うわー、私、絶対に顔赤くなっちゃってるよっ……。



「リングの真上からボールが入るのをイメージして。 大丈夫、きっと入るよ」

「は、入るかな……?」

「俺が教えてるんだから、入らなきゃ困る」


「あっ……そ、そうだよねっ……」

「じゃ、シュートしてみ」

「はいっ……!!」



ひゃあっ……ケイくんの息が、耳元にっ……!!

緊張が、半端ない……!!



「七瀬」



スッと離れたケイくんが、横の方で小さく笑う。



「もしこのシュートが決まったら、」

「……えっ!?」

「何かプレゼントしてやるよ」



プ、プレゼント……?



「で、もしお前がこのシュートを外したら、お前は一生俺の奴隷な」

「……はいっ!?」


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