チーム『KTSM』へ ようこそっ!!


ど、奴隷って、なに馬鹿なこと言ってんの……!?



「奴隷なんて、あり得ないでしょっ……!!!」

「まぁ、冗談だからな」

「……はぁ!?」


「プレッシャーかけた方が意外と決まったりするだろ? ほら、フォーム崩さず打てよ」



な、なんなのよコイツッ!!
やっぱり最低最悪な男だぁー!!



「ケイくんの、馬鹿!!」



苛立ちを力に変えて、ボールを、放つ!!



 ガンッ



あぁっ……またリングに当たっちゃった……!!

でも、さっきとは少し違って……──、



「あっ…」



──……ボールは外に弾かれずに、そのままリングの中へと吸い込まれた。



……私のシュートが、決まった。



「ナイスシュート。 もう少し練習すれば、ぶつからずに入るようになるよ」



シュートを打った体勢のまま固まる私の肩を、ケイくんがポンポンと叩く。



「よくやった」



優しい声と、微笑み。

それを見た瞬間に、体の自由を取り戻し、ガバッとケイくんに抱きつきいた。



「やったぁ!! 私、バスケットが出来たよ!! 体育の授業の時は出来なかったシュートが、初めて入ったんだよ!!
“この”私のシュートが決まったんだよー!! ケイくんありがとう!! ケイくんのおかげです!!」

「ちょっ……わかったから離れろ馬鹿っ」

「へっ? うわぁ!! ご、ごめんなさい!!」



ギャー!!

男の子……しかもイケメンに抱きつくなんて、なにやってんの私っ……!!

こんなところ、誰かに見られたらっ……!!



「お二人さーん、昨日の今日で、もう付き合い出したの?」

「うわっ!?」



太一くんっ……!!


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