チーム『KTSM』へ ようこそっ!!


動きやすそうな格好で現れた太一くんが、私たちを興味津々に見ている。

うわわっ……抱きついてるとこ、見られちゃった……!!



「太一くん違うの!! これは、成り行きというかっ……!!」

「えー? すっごく仲良さそうに見えたけど?」

「ち、違うからっ……!!」



顔がカーッと赤くなる。

それを見た太一くんは、けらけらと笑いながら髪の毛をかき上げた。



「ごめんごめん、ほんとは最初から見てたから知ってたよ」

「へ!?」



最初から、見てた……!?



「シュート、決まってよかったね」

「うっ……」



にっこり笑う太一くん。

全部見られてたってことは、会話とかも全部聞かれてたってこと、だよね……。

うぅ……恥ずかしくて、死んじゃいそう……。



「太一、1対1やるか」



……顔を真っ赤にする私とは違い、ケイくんは全然気にすることなく笑ってる。

ボールをヒョイッと投げ、二人は楽しそうに動き出した。


近くに居ると邪魔になりそうだったから、私は少し離れた壁に寄りかかって座った。


二人の華麗なプレーを見つめながら膝を抱え、小さく息を吐く。

すっごく楽しそう。

いいなぁ。 シュートするだけじゃなくて、あんな風に私も動けたらいいのにな……。


……なーんて思ったけど、さすがにそれは無理だって初めからわかってる。

シュートは止まったままでも出来るけど、あんな風に、ダンスを踊るみたいには動けない。

私がやったら、きっと壊れたロボットみたいに変なんだろうなぁ……。


そんなことを思っているうちに、二人のそばに4人の男の人がやってきた。

私たちよりも年上みたいだけど、ケイくんたちはそんなの全然気にせず、仲良さそうに喋ってる。

そしてそのまま、6人は3対3に分かれて試合をスタートさせた。


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