チーム『KTSM』へ ようこそっ!!
「これはダメッ……もう1本買ってくるから、待ってて!!」
「そんな面倒なことしてられるかってーの」
「ギャー!!」
「おい、『ギャー』ってなんだよ、アホか」
私の手からイチゴ牛乳を取り、ケイくんは迷うことなく口に運んだ。
わっ……間接キスに、なっちゃった……。
……って、えっ?
ちょっ、どんだけ飲む気っ……!?
「ごちそーさま!!」
あっ……無くなっちゃった。
私、一口しか飲んでないのに……。
「……私へのプレゼントじゃなかったの?」
空っぽのペットボトルを見つめ、イジイジと言う。
間接キスになったことは、やっぱりドキドキだけど……でもなんか、全部飲まれてしまったことが悲しい。
「そのうちまた買ってやるよ」
ニッと笑い、髪の毛をかき上げるケイくん。
その瞳が、遠くを見つめる。
「なぁ七瀬、Sって普段どんな感じ? ここに居る時と変わらない?」
「へ? あ、太一くん?」
「うん」
Sと言われて、一瞬なんのことかわからなかった。
でもケイくんの視線を追って行った先に居たのが太一くんだったから、『太一くん=S』だということを思い出す。
「学校での太一くんは……今とほとんど同じ。 太一くんの周りにはいつも笑顔が溢れてて、凄く楽しいよ。
まぁ、常にうるさいから時々煩わしいけど」
「あはは、なるほど」
アイツらしいな、と言葉を続けたケイくんは、どこか安心したように空を見上げた。